ストレスで腹痛……対処法と病院に行く目安【専門医監修】|立川髙島屋S.C.大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック

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ストレスで腹痛……対処法と病院に行く目安【専門医監修】

ストレスで腹痛……対処法と病院に行く目安【専門医監修】|立川髙島屋S.C.大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック

2026年1月28日

大事な会議の前や試験の直前、お腹が痛くなった経験はありませんか?ストレスと腹痛には深い関係があります。

脳と腸は密接につながっており、ストレスが腸の働きに影響を与えることがわかっています。
頻繁に繰り返す腹痛は生活の質を大きく低下させますし、まれに重大な病気が隠れていることもあります。
この記事では、消化器内科の専門医がストレスによる腹痛の原因、病院を受診すべき目安、考えられる疾患、そして日常生活でできる予防法まで詳しく解説します。

なぜストレスで「お腹」が痛くなるの?

ストレスを感じると、脳から腸へ信号が送られ、腸の動きや感覚に変化が起こります。
これは「脳腸相関」と呼ばれる仕組みで、ストレスホルモンの分泌により腸の蠕動運動が乱れたり、腸の知覚が過敏になったりします。

ストレスによる腸への影響
・腸の動きが異常に速くなり下痢を引き起こす
・逆に腸の動きが鈍くなり便秘が生じる
・腸の知覚過敏により少しの刺激でも痛みを感じる
・胃酸の分泌が増加し胃痛や胸やけが起こる
・胃の動きが強まると胃痛、弱まると胃もたれが起きる
・腸内細菌のバランスが崩れて腹部膨満感が生じる

このように、ストレスは自律神経を介して消化管に直接的な影響を及ぼし、さまざまな腹痛の原因となります。
特に現代社会では慢性的なストレスにさらされることが多く、当院の外来にも胃腸の不調を訴える患者さんが多く来院されます。

病院へ行くべきか迷ったら?受診の目安とチェックリスト

ストレス性の腹痛かもしれないと思っても、実は別の病気が隠れている可能性があります。
以下のチェックリストで当てはまる項目がある場合は、早めに消化器内科を受診しましょう。

すぐに受診すべき症状

・いつもと違う激しい腹痛で、我慢できないほど痛い
・便に血が混じっている、または真っ黒い便が出る
・嘔吐を繰り返し、水分も摂れない状態が続く
・発熱を伴う腹痛がある
・体重が急激に減少している
・腹痛とともに顔色が悪く、冷や汗が出る

早めの受診を検討すべき症状

・腹痛が2週間以上続いている
・市販薬を飲んでも改善しない
・腹痛のために日常生活や仕事に支障が出ている
・食欲不振が続き、体重が減少した
・腹部に違和感やしこりを感じる

特に血便や体重減少、激しい痛みがある場合は、大腸がんや炎症性腸疾患など重大な病気の可能性があるため、すぐに専門医の診察を受けることが重要です。

ストレス性の腹痛で考えられる代表的な病気

ストレスが関連する腹痛には、いくつかの代表的な疾患があります。
それぞれの特徴を理解し、適切な対応をとることが大切です。

過敏性腸症候群(IBS)

下痢型、便秘型、混合型(下痢↔便秘)、ガス型などがあります。
当院では下痢型には整腸剤・半夏瀉心湯・イリボー・ロペミンなどを処方し、イリボーがかなり有効なことが多いです。
便秘型はなかなか難しいことが多く、便秘は治ってもなんだかすっきりしなかったりするようです。
混合型はやはり難しく、下痢止めを使うと便秘になり、便秘薬を使うと下痢になり、結局整腸剤・漢方くらいしか手がありません。
ガス型も非常に多いのですが、あまりよいお薬はなく、食事の見直し(玄米やオートミールや小麦や乳製品などをやめたら治ったり)、整腸剤・大建中湯などを処方し効果があればラッキーという印象です。
一番はストレスの原因を回避することですが、仕事や学校などどうしても回避できない方が多いのが現実です。
大腸カメラをやるかどうかですが、中高生の頃からずっとある症状だとほぼIBS確定かと思っています。大人になってからいきなり始まったとなると、別の病気を考えたりします。あとは血が出たら、やはり大腸カメラをやったほうがよいかと思います(IBS+痔ということも多々ありますが)。

機能性ディスペプシア(FD)

胃痛、胃もたれ、吐き気という症状がほとんどです。
胃痛には胃酸を抑える薬(タケキャブ、市販だとタケプロン)、胃の動きを整える薬(アコファイド、イトプリド、モサプリド、六君子湯)をよく使います。胃もたれにはやはり胃の動きを整える薬をよく使います。3割くらいの方に少し効く印象です。吐き気は難しく、上記の胃薬に加え、吐き気止めなど出したりします。時々、ピロリ菌がいることによるFDというパターンがあるので、恐らくFDだけど、胃カメラをやったことがない方、ピロリ菌がいるかどうか不明な方は、20代でも一度胃カメラで見ておくと安心です。(ピロリ菌は将来の胃癌のリスクで、若いうちに除菌できると将来の胃がんのリスクを大きく下げられるため)

逆流性食道炎

多くの方が胃カメラで指摘される逆流性食道炎ですが、実は症状がある人は一部だけです。
また、胃カメラでの見た目の激しさと症状が全然乖離することも有名で、胃カメラではほとんど逆流性食道炎がないのに、胸やけなど逆流性の症状が強い方がいる一方、胃カメラで血が出るほど激しい逆流性食道炎になっているのに全く症状のない方もいます。その差はやはり胃酸逆流の感じ方(過敏性)が関係あると言われており、同じ人でもストレスが多い時期は逆流性の症状を強く感じて、ストレスが減ると感じなくなったりなどあるようです。その意味では逆流性も少しストレス性の胃腸の病気と言えるかもしれません。逆流性の場合は生活習慣(飲食後横にならない)がメインの対処法になりますが、どうしてもつらいときはタケキャブ(市販だとタケプロン)などの胃酸を抑える薬に一時的に頼るとよいです。

胃痙攣

胃痙攣は病院時代はなかなか考えない病気で(少し東洋医学的?)、クリニックを始めてから考え出すようになったのですが、いきなり発作的に胃痛が生じて、なかには救急外来に行く方もいますが、結局あらゆる検査をしても大きな異常がなく、数十分くらいで治ってしまう病気のようです。
色々考えましたが、恐らくこれは足が攣るような現象が胃でも起きているんじゃないかなと思っています。ですので、基本的には足が攣ったときと同じで、過ぎ去るのを耐え忍ぶしかないのかと思っています。一点、注意点としては胃痙攣と思いきや心筋梗塞だったとか、急性膵炎だったとかいうこともありますので、数十分で治ってこない場合はやはり病院にはいったほうがよいです。お薬はやはり胃酸を抑える薬などはよいと思いますが、足が攣るのと同じ原理なら芍薬甘草湯なんかもよいのかもしれません。

虚血性腸炎

これもよくあります。原因がはっきりしておらず、ストレスとの関連が指摘されておりますが、やはり胃痙攣と同じように腸がぎゅーっと痙攣するのではないかと考えています。その結果腸にダメージが起きて、下痢→血便が生じます。こちらも生じてしまったらどうしようもなく、数日間食事をやめて腸が回復するのを待つしかない印象です。重症のときは手術のこともあるので病院へ。稀に大腸がんにより虚血性腸炎のような状態(閉塞性腸炎)が生じていることがあるので、治ったあとは大腸カメラ検査を念の為行ったほうがよいです。

咽喉頭異常感症

胃腸ではありませんが、ストレス性で喉がつまる感じがするという方も多くいらっしゃいます。耳鼻科で異常なく、当院の胃カメラでも異常なく、となるとほとんどストレス性ということになります。古代中国の時代からある病気のようで、梅核気とか、ヒステリー球とも呼ばれています。これまたあまりよいお薬がなく、半夏厚朴湯という漢方が効いたらラッキーというところです。稀に食道がん、食道運動障害(アカラシアなど)のことがあるので、胃カメラ検査はやっておいたほうがよいです。

これらの疾患は内視鏡検査や、どうしても胃カメラや大腸カメラ検査を敬遠される場合、腹部超音波検査(腹部エコー検査)でも結構診断できます。
当院では経験豊富な専門医や、優秀な超音波検査士が丁寧に祝日を除く毎日検査・診察しており、適切な治療方針をご提案いたします。
実際はよいお薬がないことが多いのですが、悪い病気ではないことの確認と、試してみるべきお薬の選択肢を提示することはできます。

繰り返さないために!日常生活でできる予防とセルフケア

ストレス性の腹痛を予防し、症状を軽減するためには、日常生活での工夫が大切です。
以下のセルフケアを実践して、腸の健康を守りましょう。

ストレス管理の方法

・深呼吸などのリラックス法を取り入れる
・十分な睡眠時間を確保し、質の良い睡眠を心がける
・適度な運動習慣をつける(ウォーキング、ランニング、ヨガなど)
・趣味や好きなことをする時間を意識的に作る
・ストレスの原因を特定し、可能であれば環境を改善する

食生活の改善

・規則正しい時間に食事をとり、暴飲暴食を避ける
・刺激の強い食べ物(辛いもの、カフェイン、アルコール)を控える
・食物繊維を適度に摂取し、腸内環境を整える
・よく噛んでゆっくり食べることを心がける
・乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスを取り入れてみる

生活習慣の見直し

・トイレを我慢せず、規則的な排便習慣をつける
・腹部を温めて血行を促進する
・喫煙は控える(腸への刺激となります)
・過度な心配や不安を抱え込まず、誰かに相談する

これらのセルフケアを実践しても症状が改善しない場合や、症状が悪化する場合は、我慢せずに一度医療機関を受診しましょう。

よくある質問

Q. ストレス性の腹痛は放っておいても治りますか?
A. 一時的なストレスによる腹痛であれば、ストレスが解消されることで自然に治ることもあります。しかし、慢性的に繰り返す場合は機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群などの疾患が考えられ、もしかすると合う薬があるかもしれないので、専門医の診察を受けることをおすすめします。また、ストレス性と思っていても別の病気が隠れている可能性もあるため、症状が続く場合や今までと違う場合は、早めの受診と適切な検査が大切です。

Q. 市販の胃腸薬はどうですか?飲んでも大丈夫ですか?
A.あまり強い薬や危ない薬は市販薬では売ってはいけないことになっておりますので、市販の胃腸薬は原則マイルドなものと考えてください。マイルドな薬でもしも有効な薬が見つかるようなら、すごくラッキーだと思います。よくある市販薬で唯一、ロキソニンだけはずっと飲み続けると危険ですので、避けましょう。ただ、市販薬を試しても改善しない場合や、症状が悪化する場合は医療機関へご相談ください。自己判断での長期使用は、重大な病気の発見を遅らせる可能性があります。

Q. 胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡検査は必ず必要ですか?
A. 症状や年齢、家族歴などを総合的に判断して検査の必要性を決定します。血便や体重減少がある場合、40歳以上で初めて症状が出た場合、家族に大腸がんや胃がんの既往がある場合などは、少し若くても内視鏡検査が推奨されます。当院では鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査も可能ですので、お気軽にご相談ください。また、最終的に検査するかどうかはお任せしておりますので、もちろん絶対検査しないとだめということはありません。

Q. 腹痛以外にも下痢や便秘を繰り返していますが、これもストレスが原因ですか?
A. 腹痛とともに下痢や便秘を繰り返す症状は、過敏性腸症候群の可能性が高いです。これはストレスが大きく関与する疾患で、腸の動きや感覚が過敏になることで起こります。ただし、炎症性腸疾患や大腸がんなど他の疾患の可能性も否定できないため、症状が続く場合は必ず消化器内科を受診し、適切な検査を受けることをおすすめします。

記事監修者

院長 谷口 孝伸

院長 谷口 孝伸

日本内科学会 認定内科医 総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医

弘前大学を卒業。立川の地で12年間、消化器内科医として研鑽を積み、甲府共立病院・がん研有明病院にて大腸カメラ、超音波内視鏡等の専門的な検査技術を習得。2024年8月、立川髙島屋S.C.大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック開設。

詳しい経歴や実績については、こちらをご覧ください。

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