背中の痛み(膵臓との関係)【専門医監修】|立川髙島屋S.C.大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック

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背中の痛み(膵臓との関係)【専門医監修】

背中の痛み(膵臓との関係)【専門医監修】|立川髙島屋S.C.大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック

2025年11月18日

背中の痛みは膵臓からのサイン?

背中の痛みと聞くと、多くの方は腰痛や肩こりなど、筋骨格系の問題を思い浮かべるでしょう。実際、背中の痛みの大半はそのような原因によるものです。
しかし、消化器内科医として患者様を診察していると、背中の痛みが膵臓疾患の重要なサインであるケースに時折、遭遇します。

膵臓は胃の裏側、背中に近い位置にある臓器です。この位置関係から、膵臓に炎症や腫瘍が発生すると、その痛みがみぞおちだけでなく、背中にもあるように感じられることがあります。
特に膵臓は症状が出にくい「沈黙の臓器」として知られており、背中の痛みが膵臓からの数少ないサインとなる場合があるため、注意が必要です。
ただし、背中の痛みがすべて膵臓の病気を意味するわけではなく、大動脈解離など別の病気であることもあるため、適切に見分けることが大切です。

背中の痛みと膵臓の関係

膵臓は胃の後ろ側、ちょうど背骨の前あたりに位置する長さ約15センチの臓器です。
消化酵素を分泌して食べ物の消化を助ける役割と、インスリンなどのホルモンを分泌して血糖値を調整する役割を担っています。

この膵臓の位置が、背中の痛みと深く関係しています。
膵臓に炎症や腫瘍が発生すると、その炎症や腫瘍が周囲の神経を刺激します。
特に膵臓の後ろには神経叢(神経の集まり)があり、膵臓の異常がこの神経を刺激することで、背中に痛みとして感じられます。

膵臓の病気で背中が痛くなる理由

  • ・膵臓が背中に近い位置にあるため、痛みが背中に放散する
  • ・膵臓の後ろにある神経叢が刺激される
  • ・炎症や腫瘍によって周囲の神経を圧迫、刺激する
  • ・膵臓の腫瘍が進行すると、後腹膜という背中側の組織に広がることがある

膵臓が原因の背中の痛みの特徴

膵臓が原因の背中の痛みには、筋肉痛や腰痛とは異なる特徴的なパターンがあります。
これらの特徴を知っておくことで、早期に適切な医療機関を受診することができます。

膵臓性の背中の痛みの主な特徴

  • ・痛みの場所
    みぞおちから背中にかけて、痛みが広がる。筋骨格系の痛みの場合、みぞおちが痛いことは稀です。
  • ・痛みの性質
    鈍い痛みが持続する。ズキズキとした重苦しい痛みや、締め付けられるような痛み。背中の痛みに限りませんが、今まで経験したことのない不思議な痛みのときは新しい病気の可能性を考えましょう。
  • ・姿勢との関係
    前かがみになると楽になり、仰向けに寝ると痛みが強くなる傾向があると言われます。ただ筋骨格系の痛みでも姿勢で楽になったりしますので、見分けは難しいかもしれません。
  • ・食事との関係
    食後に痛みが強くなることがある。特に脂っこい食事の後に悪化しやすい。逆に脂質をゼロにすると痛みが楽だったりすると胆膵系の痛みを疑います。
  • ・持続時間
    数週間から数ヶ月、痛みが続く。一時的に治まっても繰り返し起こる。ただこれも筋骨格系の痛みでも同じ可能性があります。

また、背中の痛みだけでなく、吐き気、食欲不振、体重減少、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などの症状を伴うと、筋骨格系ではなく内臓の病気の可能性を考えます。
このような症状が組み合わさって現れる場合は、必ず病院で検査を受けましょう。

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「胃が痛い」「下痢が続く」など、胃腸の不調は、日常生活に大きな影響を与えます。
当院では、患者様の不安を解消し、安心して治療を受けて頂けるよう、丁寧な診療を心がけています。

「もしかして…」と思ったら、一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

背中の痛みを引き起こす膵臓の主な病気

背中の痛みを引き起こす膵臓の病気には、いくつかの代表的なものがあります。
それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。

急性膵炎

膵臓に急激な炎症が起こる病気です。
みぞおちと背中の痛みの症状が最も強く現れる膵臓疾患の一つです。
みぞおちの痛みはストレス性の胃痛や胃潰瘍などでもよく認められますが、一番の特徴は圧痛(押すと激痛)が強いことだと思います。
ストレス性の胃痛の場合、押しても激痛ではなく、まあ痛いです、くらいの微妙な答えのことが多いです。
原因は暴飲暴食・遺伝性・中性脂肪などが多いです。急性膵炎の場合、原則入院治療が望ましいです。血液検査でアミラーゼが大きく上昇していることで診断します。

慢性膵炎

膵臓の炎症が年単位で続き、膵臓が徐々に痩せ衰えていく病気です。
原因は長年のお酒・たばこ・遺伝性・脂質異常症・糖尿病などがあります。
脂質を摂ったりお酒を飲んだあとのみぞおちと背中の痛みが続く時期を経て、完全に膵臓が痩せ衰えてしまうと、インスリンが出なくなって糖尿病になり、脂質を消化できず下痢になる末期の時期に至ります。

膵臓がん

膵臓にできる悪性腫瘍で、早期発見が非常に難しいとされる病気です。
Stage2-4になるとみぞおちや背中の痛みとして明らかになり、エコーやCTなどで診断されることが多いのですが、膵臓がんのStage2-4はほぼ手遅れなことが多いです。
ですが幸いStage0-1でも初期の腫瘍が炎症を伴うことでわずかなみぞおちや背中の痛みを伴う説もございます。
そのため、わずかな背中やみぞおちの痛みでもやはりこれまで経験したことがなくておかしいぞ?と言うときは少なくとも腹部エコー検査や血液検査(アミラーゼ)は受けましょう。

膵のう胞

膵臓に液体の溜まった袋状の病変ができる状態です。
基本的に膵のう胞自体が痛むことはほぼあり得ないのですが、粘液を産生する膵のう胞の液体の粘度が高く、膵液が渋滞して膵炎を起こしたり、膵管の中の圧が上がると痛みを引き起こす可能性があります。
またそういうときは膵のう胞が少し悪性に近づきつつあるときの可能性があり、やはり要注意です。

これらの病気はいずれも、早期に発見し適切な治療を行うことが重要です。
特に膵臓がんは進行が早く、症状が出てからでは手遅れになることが多いです。適切な定期的な検査を受けましょう。

膵臓以外で背中が痛くなる消化器の病気

一方で、背中の痛みは膵臓だけでなく、他の消化器の病気でも起こることがあります。
消化器内科の専門医として診察する際には、これらの病気も考慮に入れて診断を進めます。

大動脈解離

長年の高血圧や体質で大動脈の壁が裂けて、突然命を奪ったり、案外数週間かけてゆっくりと進行してどんどん重症化するような場合もあります。
突然の場合は有無を言わず救急車からの生きるか死ぬかのお話になりますが、案外少しずつ裂けて、整形外科の腰痛や背中の痛みと区別がつかない場合もあります。
その場合の、膵臓の痛みとの違いは、痛みが縦に移動していく(裂けているところが痛くなる)点だと思います。腹部エコー検査やCT検査で診断されます。

胆石症・胆のう炎

胆のうや胆管に石ができる病気で、ほとんどはみぞおちやお腹の右上の痛みとして発症しますが、胆のうの位置や胆管のご病気の場合、膵炎を合併した場合は背中に痛みが出ることもあります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃や十二指腸の粘膜に傷ができる病気です。
やはり多くはみぞおちの痛みですが、特に十二指腸潰瘍は背中に近い場所にあるので背中に痛みが出ることもありえます。

逆流性食道炎

胃酸が食道に逆流して炎症を起こす病気です。多くは胸やけやみぞおちの痛みなどで症状になりますが、時に背中の痛みを訴える方もいます。

大腸の病気

大腸がんや大腸憩室炎なども、あまりに進行すると、腰や背中の痛みを引き起こすことがあり得ます。
ただやはり実際はお腹側に症状が出ることの方が圧倒的に多いです。

当院では、胃カメラ大腸カメラ腹部超音波検査など、これらの病気を診断するための検査を行っています。
背中の痛みの原因を正確に特定し、適切な治療につなげることが大切です。

こんな症状があったら受診を

背中の痛みがある場合、どのようなときに医療機関を受診すべきか迷われる方も多いでしょう。
以下のような症状がある場合は、早めに消化器内科を受診することをお勧めします。

ただちに受診が必要な症状

  • ・突然の激しい背中の痛みや腹痛
  • ・痛みが我慢できないほど強い
  • ・発熱を伴う背中の痛み
  • ・皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
  • ・何度も嘔吐を繰り返す
  • ・冷や汗が出るほどの痛み

早めの受診を検討すべき症状

  • ・背中の痛みが1週間以上続いている
  • ・前かがみになると楽になる背中の痛み
  • ・食後、特に脂っこい食事の後に痛みが強くなる
  • ・体重が理由なく減少している(1か月で2〜3キロ以上)
  • ・食欲がなく、吐き気が続く
  • ・便の色が白っぽい、または尿の色が濃い茶色
  • ・最近になって糖尿病を発症した、または糖尿病が急に悪化した

まとめ

膵臓は胃の裏側、背中に近い位置にあるため、膵臓に異常が起こると背中の痛みとして感じられることがあります。
特に、みぞおちの痛みとセットの背中の痛み、食後に悪化する痛み、持続的な鈍痛などは、膵臓疾患の特徴的なサインです。

急性膵炎、慢性膵炎、膵臓がん、膵のう胞など、背中の痛みを引き起こす膵臓の病気は複数あります。
また、胆石症や胃潰瘍、大動脈解離など、他の消化器の病気でも背中が痛くなることがあります。

膵臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、病気が進行するまで症状が現れにくい特徴があります。
だからこそ、背中の痛みという数少ないサインを見逃さないことが重要です。
特に50歳以上の方、喫煙習慣がある方、糖尿病の方、膵臓がんの家族歴がある方は注意が必要です。

背中の痛みが続く場合や、体重減少、黄疸、食欲不振などの症状を伴う場合は、早めに消化器内科を受診しましょう。
当院では、腹部超音波検査(ミルクティーエコー)や超音波内視鏡検査など、膵臓の詳しい検査を行うことができます。
早期発見、早期治療が何より大切です。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q:膵臓の検査はどのようなものがありますか?
A:当院では、腹部超音波検査(必要時はミルクティーエコー)、血液検査、腫瘍マーカー検査などを行っています。
より詳しい検査が必要な場合は、CT検査やMRI検査、超音波内視鏡検査(膵臓カメラ)もご提案します。どの検査が最適ということはなく、そのときに応じてこの検査が望ましいという考え方があるため、少しでも膵臓に詳しい先生にかかることは価値があります。

Q:背中の痛みで受診するのは大げさではないですか?
A:決して大げさではありません。背中の痛みは膵臓がんなどの重大な病気の初期症状である可能性があります。
膵臓は症状が出にくい臓器のため、背中の痛みという貴重なサインを見逃さないことが大切です。早期発見できれば治療の選択肢も広がります。

Q:膵臓がんの家族がいます。定期的に検査を受けるべきですか?
A:はい、血縁者に膵臓がんの方がいる場合は、遺伝的なリスクが高まります。
特に40歳を過ぎたら、定期的な検査をお勧めします。毎年の腹部エコー検査はmustとし、特にリスクが高い方はMRI検査も定期的に検討されます。

Q:背中の痛みがあっても、胃カメラや大腸カメラは必要ですか?
A:はい、必要な場合があります。背中の痛みは膵臓だけでなく、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胆石症など他の消化器の病気でも起こり得ます。
原因を正確に特定するため、症状に応じて胃カメラや大腸カメラなどの検査を組み合わせて行うことがあります。

Q:痛みが一時的に治まったのですが、受診しなくても大丈夫ですか?
A:痛みが治まっても、膵臓の病気では症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すことがあります。特に慢性膵炎や初期の膵臓がんでは、このようなパターンがよく見られます。一度でも気になる症状があった場合は、痛みが治まっていても一度検査を受けることをお勧めします。

記事監修者

院長 谷口 孝伸

院長 谷口 孝伸

日本内科学会 認定内科医 総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医

弘前大学を卒業。立川の地で12年間、消化器内科医として研鑽を積み、甲府共立病院・がん研有明病院にて大腸カメラ、超音波内視鏡等の専門的な検査技術を習得。2024年8月、立川髙島屋S.C.大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック開設。

詳しい経歴や実績については、こちらをご覧ください。

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