胃潰瘍時の食事|避けるべき食材とおすすめメニューを医師が解説|立川髙島屋S.C.大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック

WEB予約

LINEで
予約する

042-506-
1085

     
下層ヘッダー

胃潰瘍時の食事|避けるべき食材とおすすめメニューを医師が解説

胃潰瘍時の食事|避けるべき食材とおすすめメニューを医師が解説|立川髙島屋S.C.大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック

2025年5月13日

胃にやさしい食事

胃潰瘍は、強い胃酸や薬剤によって胃の粘膜が傷つき、痛みや出血を引き起こす病気です。このような胃の状態を改善・予防するためには、薬だけでなく「毎日の食事」も大きなカギになります。刺激の少ない食材選びや調理方法を意識することで、症状の悪化を防ぎ、回復を早めることができます。本記事では、医師の視点から胃潰瘍にやさしい食事のコツと、避けたい食品についてわかりやすく解説します。

はじめに|胃潰瘍と食事の深い関係

胃潰瘍は、胃の粘膜が胃酸や消化酵素や薬剤によって傷つき、潰瘍(かいよう)ができてしまう状態です。ストレスやピロリ菌感染、痛み止め(NSAIDs)の常用などが原因として知られていますが、日常の「食事」も症状の悪化・回復に大きな影響を与える要素の一つです。

食事は、胃に直接触れるものです。刺激の強い食材やアルコール、香辛料などは胃酸の分泌を促し、潰瘍部位を刺激して痛みや出血を悪化させてしまう恐れがあります。一方で、胃にやさしい食材を選んだり、調理方法を工夫することで、胃粘膜の保護や修復を助けることができます。

胃潰瘍のときに食事で気をつけるべきポイントとは?

胃潰瘍の症状を悪化させないためには、以下のポイントに注意して食事をとることが大切です。

・胃に負担をかけない調理法を選ぶ
 揚げ物や焼き物よりも、「煮る」「蒸す」「茹でる」など消化のよい調理法がおすすめです。

・食べ過ぎ、早食いを避ける
 胃が一度に多くの内容物を処理することで負担がかかり、症状を悪化させる可能性があります。
 ゆっくりよく噛んで食べましょう。

・空腹を避ける
 胃酸が出ている状態で胃が空になると、粘膜が刺激され痛みが出やすくなります。
 規則正しく食事をとることが重要です。

・アルコール、カフェイン、香辛料を控える
 これらは胃酸分泌を促すため、潰瘍を刺激してしまいます。

胃潰瘍におすすめの食べ物・飲み物一覧

胃潰瘍の方に適した食べ物や飲み物は、「消化が良く、胃を刺激しない」ことが基本です。

食材・飲み物理由・ポイント
白がゆ・やわらかいご飯胃への負担が少なく、胃酸を中和しやすい
豆腐・白身魚高たんぱくで低脂肪、消化もしやすい
卵(半熟・温泉卵など)たんぱく質源として優れ、柔らかくて胃にやさしい
にんじん・じゃがいも煮込んで柔らかくすれば、食物繊維も穏やかに作用する
牛乳(少量)胃酸を中和する働きがあり、刺激が少ない
白湯・麦茶胃粘膜を刺激せず、水分補給に適している

胃潰瘍のときに避けたい食べ物・飲み物一覧

胃潰瘍の悪化を防ぐためには、胃を刺激する食品を控えることが重要です。

食材・飲み物理由・影響
香辛料(唐辛子・胡椒など)胃酸分泌を促進し、潰瘍部分を刺激する
アルコール類(ビール・焼酎など)胃粘膜を荒らし、出血や炎症を悪化させる可能性がある
コーヒー・緑茶(濃いもの)カフェインにより胃酸分泌が促され、痛みが増すことがある
炭酸飲料炭酸による膨張感や胃酸逆流を引き起こしやすい
揚げ物・脂っこい料理消化に時間がかかり、胃への負担が大きい
柑橘類・酢の物酸性の刺激で潰瘍部位にしみて、痛みを感じやすくなる

胃潰瘍にやさしい1日の食事メニュー例

胃潰瘍のときは、1日3食を規則正しく、胃にやさしい食材で構成することが大切です。

胃潰瘍にやさしい、1日の食事メニュー

【朝食】
・白がゆ
・半熟卵
・湯豆腐
・白湯

【昼食】
・軟らかく煮たうどん(具はにんじん・ほうれん草・鶏ささみなど)
・麦茶

【夕食】
・白ご飯(やわらかめ)
・煮魚(白身魚の煮付け)
・野菜の煮物(かぼちゃ・大根など)
・具なしの味噌汁(薄味)

忙しい人向け|コンビニ食や外食での選び方

忙しい毎日でも、工夫すれば胃潰瘍にやさしい食事を続けることは可能です。以下に、コンビニや外食でのおすすめの選び方を紹介します。

コンビニで選ぶ場合

味が濃すぎず、脂っこくないものを選びましょう。レンジで温めるだけの煮物系も◎。
・おかゆ(雑炊)パウチ商品
・豆腐
・ゆで卵
・サラダチキン(プレーン味)
・野菜の煮物やひじき煮
・白米おにぎり(梅干しは避ける)

外食で選ぶ場合

揚げ物・ラーメン・辛い料理は避け、薄味・温かい・柔らかいメニューを基準に選びましょう。
・和定食(焼き魚や煮魚、白米、小鉢など)
・うどん屋での温うどん(天かす・辛味は除く)
・おかゆ・雑炊があるメニュー(中華・和食店に多い)

再発予防に!食事と一緒に見直したい生活習慣

胃潰瘍は、食事だけでなく生活習慣も大きく関わっています。下記の習慣改善が、胃潰瘍の長期的な予防につながります。

・規則正しい生活リズム
 睡眠不足や不規則な生活は、自律神経のバランスを崩し、胃酸の分泌異常を引き起こします。

・ストレスをためない
 胃潰瘍の大きな原因の一つがストレスです。適度な休息やリフレッシュが大切です。

・禁煙
 喫煙は胃の血流を悪化させ、潰瘍の治癒を遅らせます。また再発リスクも高まります。

・アルコールを控える
 胃粘膜への刺激が強く、継続的な飲酒は再発の要因になります。

まとめ

胃潰瘍は、薬による治療とあわせて、日々の食事や生活習慣の見直しがとても重要な病気です。特に食事は、直接胃に関わる要素のため、刺激の少ない食材を選び、調理方法や摂取のタイミングにも注意が必要です。
また、忙しい方でもコンビニや外食の選び方を工夫することで、胃にやさしい食生活を実現することは十分可能です。加えて、ストレスの管理や禁煙、アルコールの制限などの生活習慣の見直しは、再発予防にも大きく貢献します。

当院では、胃潰瘍の診断・治療だけでなく、患者様それぞれに合ったアドバイスも行っています。気になる症状がある方は、早めの受診をおすすめします。

記事監修者

院長 谷口 孝伸

院長 谷口 孝伸

日本内科学会 認定内科医 総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医

弘前大学を卒業。立川の地で12年間、消化器内科医として研鑽を積み、甲府共立病院・がん研有明病院にて大腸カメラ、超音波内視鏡等の専門的な検査技術を習得。2024年8月、立川髙島屋S.C.大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック開設。

詳しい経歴や実績については、こちらをご覧ください。

TOP