喉の圧迫感・詰まった感じ
喉の圧迫感・詰まった感じ
「のどに違和感がある」
「食べ物が飲み込みにくい」
このような症状、経験ありませんか?
もしかして、重大な病気かもしれない…と不安になりますよね。
一体何が原因なのでしょうか?
実は、喉の違和感や詰まった感じには、様々な原因がありえます。
例えば、
などです。
特に、最近増えているのは、ストレスなどが原因で起こる「咽喉頭異常感症」です。
絶対に見逃してはいけないのは「咽頭がん、喉頭がん、食道がん」です。
簡単な検査をしても「異常がない」と言われることも多く、適切な診断や治療が受けられずに悩んでいる方も少なくありません。
放置しておくと、症状が悪化したり、治療が難しくなることもあります。
少しでも気になる症状がある場合は、早めに専門医に相談することが大切です。
この記事では総合内科専門医、内視鏡専門医が喉の症状について、わかりやすく解説しています。
この記事を読むと、ご自身の症状が病院を受診して検査を受けるべき症状なのか、少しでも改善できる可能性があるのか少しでもわかるようになるはずです。
ひと言でいうと「症状が強い、長く続くようなら、エコー検査や胃カメラ検査を受けて、怖い病気を否定して、一旦安心しましょう」です。
「のどの違和感」「飲み込みにくい」といっても、その感じ方、表現の仕方は人それぞれです。
例えば、
など、様々な表現があります。
これらの症状は、数日で治ることもあれば、何週間も続くこともあります。
また、食後や朝起きたときなど、特定のタイミングで症状が悪化することもあります。
まずはその症状が病気の可能性を考えるヒントになります。
喉の違和感や飲み込みにくさと一緒に、咳や喉の痛みを伴うこともあります。
咳は、喉に異物感(何か引っかかってるような感じ)があるときに出やすくなります。
また、炎症が起きている場合は、喉の痛みを伴うこともあります。
さらに、
などの症状が現れることもあります。
これらの症状もやはり、原因となる病気を特定する上で重要な手がかりになります。
明らかに風邪に伴う喉の症状のときは、まずは風邪によるものと考えて、1週間ほどは胃カメラ検査などは受けなくてよいと思います。
喉の違和感や詰まった感じを引き起こす病気は、大きく分けて以下の4つに分類されます。
1. 喉の病気 |
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2. 鼻の病気 |
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3. 食道の病気 |
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4. その他 |
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これらを念頭におきながら、お話を聞いて、検査を検討して診断を考えていきます。
喉の違和感や飲み込みにくさで最も心配すべきなのが、がんの可能性です。
咽頭がん、喉頭がん、食道がんは、初期には自覚症状がないことが多く、進行してくると、のどの違和感や飲み込みにくさなどの症状が現れます。そして進行した咽頭がん、喉頭がん、食道がんは命を奪うこともありますし、もしも命を奪わなくても治療は恐ろしく大変です。万が一これらのがんだった場合、少しでも早期で診断したいところです。
特に、以下のような習慣がある方は、リスクがあるので注意が必要です。
ただし、これらのがんである確率は、他の病気の確率に比べると、大変低いです。まずは検査をしてこれらの病気を否定して、ほっと一息つくことが大事です。
喉の違和感や詰まった感じの原因を特定するために、いくつかの検査があります。
主な検査方法としては、
症状や生活習慣などについてお聞きすることで、かなり原因を類推することができます。
のどや首の周辺をみて、触ることで大きな病気がないか確認します。
細い内視鏡を使って、のどから食道にかけて異常がないかを確認します。
当院では、細くて高画質な細径内視鏡を使用しており、鎮静剤(眠り薬)と組み合わせることで、最大限に苦痛を少なく体にやさしい胃カメラ検査を提供しています。
炎症反応や貧血などがないかを確認できます。
甲状腺に腫瘍がないか、痛みや被ばくなく、確認できます。
副鼻腔炎や蓄膿症などを確認できます。
これらの検査結果をもとに、原因を特定し、適切な治療法を検討します。
そんな方もいるかもしれません。その場合、「咽喉頭異常感症」の可能性があります。
咽喉頭異常感症は、のどに違和感や異物感が強くあるにもかかわらず、検査ではっきりとした異常が見つからないときに真っ先に疑われる病気です。
原因は、
など、心身の状態が影響していると考えられています。
咽喉頭異常感症はものとしての病気ではなく、ストレスや自律神経との関わりもあるので、この薬を飲めば100%治ります!と簡単に治せる病気ではありません。
ただ、咽喉頭異常感症によく使われる半夏厚朴湯という漢方の適応に、「梅核気」という、中国の古そうな言葉があるように、大昔から存在し人々を悩ませていた病気であると推察されます。
まずは検査でがんなどの病気でないことを確認した後は、このような漢方や、ストレスを抑えるお薬などで、ご自身に合う薬がないか探していくことになります。
喉の違和感や詰まった感じの治療法は、原因によって異なります。例えば、
抗生物質や消炎鎮痛剤などを投与します。
抗アレルギー薬や点鼻薬などを投与します。
胃酸の分泌を抑える薬や胃の運動を促進する薬などを投与します。
漢方薬や抗不安薬などを投与したり、ストレス緩和の生活習慣をおすすめすることもあります。
つまり、他の病気すべてにおいてそうですが、のどの症状に対しても、正しい治療のためには、正しい診断が不可欠ということです。
病院での治療と並行して、自宅でできるセルフケアも大切です。例えば、
加湿器を使ったり、こまめに水分補給をしましょう。
香辛料やアルコール、カフェインなどは炎症を起こす可能性があります。控えましょう。
大声を出したり、大声で歌ったりすることを控えましょう。
十分な睡眠をとったり、軽い運動をしたり、リラックスできる時間を取りましょう。
喉の違和感や詰まった感じの原因となる病気のなかには、放置しておくと症状が悪化したり、治療が難しくなる病気もあります。
少しでも気になる症状がある場合は、早めに専門医に相談しましょう。
のどの専門家というと耳鼻咽喉科を思い浮かべますが、実は最近の耳鼻咽喉科のファイバースコープ(鼻から喉を観察するカメラ)よりも、消化器内科の細径内視鏡(細くて高画質なカメラ)のほうが圧倒的に画質がよく、より早期の悪性の病気を診断できることがわかっています。また、耳鼻咽喉科ではのどまでの検査しかできず、食道の病気(食道がん、逆流性食道炎、食道カンジダ)は診断できません。
喉の症状が気になるときのおすすめは、まず消化器内科で高画質の胃カメラ検査を受けて、消化器内科の病気ではなさそうということになったら、次に耳鼻咽喉科を受診することです。
当院では多くの喉の症状を持った患者様がいらっしゃいます。眠ったまま受けられる体にやさしい胃カメラ検査によって、のど〜食道の病気がないことを確認しています。<胃カメラ検査のページ>
検査の結果、副鼻腔炎など耳鼻咽喉科領域の原因が疑われたときは、地域で最も信頼できる耳鼻科の先生へご紹介しています。
立川駅直結徒歩3分立川髙島屋S.C.内というアクセスの良さも魅力です。
「のどの症状、もしかして病気かも…」と不安を抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。
明らかに耳鼻科の病気が疑われているとき(副鼻腔炎のような強い鼻詰まりがあるとき、風邪症状を伴うとき)は耳鼻科へ。そうでないときは消化器内科を受診するのがおすすめです。
院長 谷口 孝伸
日本内科学会 認定内科医 総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医
弘前大学を卒業。立川の地で12年間、消化器内科医として研鑽を積み、甲府共立病院・がん研有明病院にて大腸カメラ、超音波内視鏡等の専門的な検査技術を習得。2024年8月、立川髙島屋S.C.大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック開設。
詳しい経歴や実績については、こちらをご覧ください。
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