ピロリ菌
ピロリ菌
ピロリ菌って聞いたことはあるけど、自分には関係ないと思っていませんか?実は、日本人の40代以上の2人に1人はピロリ菌に感染していて、胃がんのリスクが高い状態なんです。でも、自覚症状がないから気づかないことが多いのが怖いところ。
症状が出る場合は、「胃が痛い」「胃もたれする」こんな症状が、ピロリ菌が原因の可能性もあります。
当院は立川にある内視鏡専門の消化器内科クリニックです。これまで数多くのピロリ菌感染症の患者様を診療してきました。
この記事では、ピロリ菌の基礎知識から検査方法、除菌治療まで、ピロリ菌について知っておくべきことを網羅しています。
特に、30歳前後で自分のピロリ菌感染歴を知ることの重要性と、感染していた場合の対処法(何年おきに胃カメラ検査を受けるべきか)について詳しく解説しています。
この記事を読むことで、あなたはピロリ菌から自分の胃を守り、健康で長生きするための知識を身につけることができます。そして、早期発見・早期治療で胃がんのリスクを大幅に減らすことができるでしょう。
ピロリ菌も他の病気と同じで、早期発見・早期治療がカギです。まずは、この記事を読んで、ピロリ菌について正しく理解しましょう。
ひと言で言うと「ピロリ菌は胃がんの原因ですので、早めに除菌しましょう。」
付け加えると
「できれば30歳前後までには自分にピロリ菌がいるかいないか検査しましょう。」
「ピロリ菌がいた方は、できれば40歳までには除菌しましょう。」
「ピロリ菌がいるあるいは過去にいた方は、大変ですが一生毎年胃カメラを受けましょう」
です。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)は、胃の粘膜に住むことができる、らせん状の細菌です。すこしかわいい名前ですが、胃がんや胃潰瘍などのこわい病気と深い関わりがあることが知られています。
ピロリ菌は、1980年代にオーストラリアの医師バリー・マーシャルとロビン・ウォレンによって発見され、彼らはこの功績により2005年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
現在、日本人の10−30代の方ではピロリ菌に感染しているのは10人に1人以下と少なくなりましたが、40代以降の方はまだまだ感染している方数人に1人はおり、胃がんのリスクを高めています。
ほとんどの方は子供の頃にピロリ菌に感染します。そして、ゆっくりゆっくりと胃の中で炎症が起きます。
この炎症が子供の頃から何十年も経つと、胃の粘膜が薄くなってしまう「萎縮性胃炎」という状態になります。この萎縮性胃炎の状態が、胃がんのリスクを高めます。
他にも胃潰瘍、十二指腸潰瘍、MALTリンパ腫など血液の病気のリスクも高まります。
症状が現れる場合には、以下のようなものがあります:
このような症状がある方で、胃カメラ検査を受けたことがない方は、ぜひ一度当院でつらくない胃カメラ検査を受けてください。
ピロリ菌は、以前は井戸水から感染すると言われておりましたが、現在は主に人から人へ感染すると考えられています。
具体的には、ピロリ菌に感染している人の唾液や胃液などが口に入って感染することが多いようです。衛生状態が悪い地域では、汚染された水や食べ物を介して感染することもあります。
特に、親がピロリ菌に感染していると、子供に感染させてしまう可能性があります。例えば、大人が噛み砕いた食べ物を子供に与える、同じ箸を使うなどの行為で感染することがありますので、注意が必要です。
親子感染を防ぐには、まずは親御さん自身がピロリ菌に感染しているか検査する必要があり、もし感染している場合は速やかに除菌治療(1週間の飲み薬です)を行うことで感染を予防できます。
ピロリ菌のお話をするときに、多くの患者様や、多くの専門外の先生は、ピロリ菌がいる・いないの2択で考えられます。
ただ、実際ピロリ菌を取り扱う専門医たちは、その2択ではなく、3択に分類しています。
ご自身が、この3択のどこにいらっしゃるか把握していると、ご自身の胃がんリスクや、胃カメラをどれほど受けたほうがいいのかの理解に繋がります。
ピロリ菌の検査は、主に以下の方法で行われます。
尿素呼気試験 | 息を吹きかけて、ピロリ菌の出す成分を調べる検査です。朝ご飯を食べずに来院すれば簡単に正確に検査できるため、よく用いられています。 |
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血液検査 | 血液中のピロリ菌に対する抗体を調べる検査です。精度が100%ではないので、その結果の解釈はピロリ菌診療の経験豊富な専門医にお願いするのが確実です。 |
便検査 | 便の中のピロリ菌の成分を調べる検査です。精度は高いのですが、便を採取しないといけないので、少し手間があります。他の検査でなかなか診断に悩むときに利用されることがあります。 |
胃カメラ検査 | 胃の粘膜を直接観察し、その胃炎の所見からピロリ菌が「いるorいたorいたことがない」の類推が可能です。また、診断に悩むときは、組織を採取して実際のピロリ菌の有無を調べることもできます。 |
これらの検査は、内視鏡専門クリニックで受けることができます。どの検査を受けるのが良いか、実際自分はどのような状態なのか、専門医と相談して決めることをおすすめします。
よく、ピロリ菌を除菌したら胃がんのリスクがなくなるので、胃カメラ検査は受けなくてよい、と思ってしまう方がおります。
ピロリ菌に感染していた方は、除菌することで将来の胃がんのリスクを大きく下げることができますが、それでもまだ胃がんのリスクは絶対値としては高いままです。
胃がんを早期に発見して、手術や死亡を回避するためには、1年毎の胃カメラ検査が望ましいとデータで報告されており、除菌後も毎年胃カメラ検査を受けることをおすすめします。
毎年受けるとなると、極力信頼できる、楽に受けられる内視鏡クリニックを選択することをおすすめします。
当院は、立川にある内視鏡専門の消化器内科クリニックです。
正確なピロリ菌の診断・除菌はもちろん、つらくない胃カメラ検査にも注力しております。
拡大内視鏡など高品質なの機器を導入し、がん専門病院で修練した経験豊富な専門医が、丁寧な説明と確かな技術で、皆様の胃の健康をサポートいたします。
鎮静剤(眠り薬)を使った、眠ったまま受けられる楽な胃カメラ検査や、鉛筆よりも細い細径内視鏡を用いたのどや胃にやさしい検査など、現在選択可能なもっとも楽な胃カメラ検査をご用意してお待ちしています。
ピロリ菌が気になる方、ピロリ菌の感染歴があり毎年胃カメラ検査を受けないといけない方は、ぜひお気軽にご相談ください。
ピロリ菌が見つかった場合は、早めに除菌治療を行うべきです。除菌治療は、抗生物質と胃酸を抑える薬を組み合わせた飲み薬、1週間で完了します。
除菌治療の数ヶ月後に、除菌できたかどうか(ピロリがいなくなったかどうか)を確認するための再検査を行います。除菌が成功すれば、胃がんや胃潰瘍のリスクを減らすことができ、胃の症状がある方は改善することがあります。
ピロリ菌は、一度除菌すれば、基本的には再感染することはありません。しかし、衛生状態が悪い環境に身を置いたり、ピロリ菌に感染している人と濃厚な接触があったりする場合には、再感染の可能性もゼロではないと報告されています。
原則、ピロリ菌が居た方はその後毎年胃カメラ検査を受けるため、その際に再感染しているかどうか類推ができます。
ピロリ菌は、ほとんどが子供の頃、5歳前後での感染と言われています。ただ、大人になってからでも感染する可能性もゼロではありません。かなりまれだと思って頂いて構いません。
ピロリに感染したことがなく、胃がんのリスクが低い方でも、日本では少なくとも2-3年に一度くらいは胃カメラを受けたほうがよいというような流れなので、もしおとなになってから感染しても、恐らくすぐに胃カメラ検査で気付いてもらえると思います。
本来、胃カメラ検査を行ってからでないと保険診療では調べられませんが、どうしても胃カメラ検査がいやな方は、数千円の自費検査で調べることが可能です。
院長 谷口 孝伸
日本内科学会 認定内科医 総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医
弘前大学を卒業。立川の地で12年間、消化器内科医として研鑽を積み、甲府共立病院・がん研有明病院にて大腸カメラ、超音波内視鏡等の専門的な検査技術を習得。2024年8月、立川髙島屋S.C.大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック開設。
詳しい経歴や実績については、こちらをご覧ください。
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